ドキュメンタリー映画『産婆』
「こどもは産みたくない」と話す20代。
ワンオペ育児、産後うつ、児童虐待…。この国では子どもを育てることがまるで「罰」であるかのよう。自分は毒親にはなりたくないし、こんな時代に明るい未来を見させてあげることができない、と話す。
若い女性たちがそんなことを思ってるなんて切ない。
本来、子どもは社会の中で歓迎され産まれてくる存在なのに、この国では、母親も子も孤独を背負う。
そんな話が脳裏にこびりついて離れなかった。
そんななか、今日は、福岡県朝倉市で開業助産師をしている春日助産院の信友智子さんの

妊娠した瞬間から女性の体は刻々と変わる。
それは、喜びだけではなく、不安や恐怖との闘いでもあるわけで。
そんな女性たちを温かくサポートする信友さんの「産婆」としての生き方にこの国にもまだ救いはあると思わされた。
その一方で、実際には、助産院で出産する人は妊婦のわずか1%。99%は病院出産をしている。
女性たちの選択の権利が認められず、ジェンダーまみれの病院出産の現場。
そんなお産の現場が、その後も長く続く育児不安も生み出し、女性たちの自己決定権を奪っていく。
そんなお産に私たちはNoを言ってもいいと思う。
助産師がいる地域は、女性たちの安全の場があるということ。女性たちの権利を擁護し、代弁者となる「産婆」の存在はは地域を変える鍵となることを確信した。
産むか産まないか、それはもちろん女性自身が決めていいこと。
もし、産むと決めたら、独りではない場所で産んでほしい。物理的な人数というより、一緒に産んでくれる人とともに。
若い女性たちが「子どもは産みたくない」という社会を変えたいと切に思う。
奇しくも前日に厚生労働省の人口動態統計で出生数が統計開始以来最小となったことが発表されたばかり。
政治課題も根が深い。大きな宿題をもらった気分。