女性の貧困問題の根底にはジェンダー意識が
ホームレス支援をしているボランティアのみなさんと一緒に数回、夜の福岡の街を歩きました。
そこで出会った彼女たち。その姿を見ていると、心がざわざわと痛いんです。どんなに無視されても、振り回されてもほっとけない気持ちになります。
それは、多分、自分自身も非正規雇用の不安定な働き方が長く、住まいをなくすかもしれないという恐怖を常に抱いていたからなのでしょう。小さい子どもを連れて放浪する夢を何度も見ました。
意識しているかしていないかの差はありますが、多くの女性がそんな不安な夜を一度は感じているのではないかと思います。
話は少し違いますが、ニート支援が始まった頃、女性の数が少なく、不思議に思ったことがあります。よくよく調べていくと、未婚の女性で無業者は家庭や地域で「家事手伝い」とか「花嫁修業」などていのいいカテゴリーに分類され、問題が表面化していないのが原因だとわかりました。
女性たちは自分の問題なのに、それに気づかせてもらえません。
女性の貧困問題の根底にあるこの国のジェンダー意識。
一つ一つの事例に対応しても、構造が変わらない限り、また新たな不幸が生まれます。
福岡は今夜は雨です。
安全に過ごしていることを願うばかりです。