憲法記念日に寄せて

今日は憲法記念日。
1947年5月3日に日本国憲法が施行されて74年。
 
この日に際して、コロナ禍の今、深刻に感じているのが、第25条の生存権です。最低限度の生活を営む権利がこの国で本当に守られているのでしょうか。
 
ひとり親家庭、非正規雇用労働者、心や体の健康を害されている方などから相談を受けることがありますが、どのお話も私自身がこれまでに何度も当事者になってしまう危機を感じたことです。経済的困窮は私たちがいつ直面してもおかしくありません。
「努力は報われる」と誰かが言いましたが、この国の仕組みが生活弱者を生み、災いをもたらしていると私は感じます。自己責任に仕立てるのはやめましょう。
 
2月に厚生労働省は、生活保護を受けやすくるするために、長年ネックとなっていた「扶養照会」の弾力的運用などをすると通知を出しました。まずはご自身の生活を守ってほしい。健康を守ってほしい。命を守ってほしい。
憲法記念日の今日、改めて憲法25条を声に出してみたくなりました。『すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』。
 
第2項『国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない』。
コロナ感染防止のために、3日に予定されていた憲法集会は中止になりました。開催されていたら、こんなことを訴えたかったと思い、ここに記しておきました。
 
※写真は、先日の人権擁護委員の相談日に法務局前で撮ったもの。